前回、榊原信行さんの本を掘り下げた流れで、今回はどうしてもこの人を避けて通れないなと思った。青木真也である。
超RIZIN.5が迫るいま、彼の著書『空気を読んではいけない』を読んだ。読み終えて感じたのは、青木真也という男がどれだけ「自分の価値」にこだわり抜いて格闘技人生を歩んできたか、ということだった。
この記事でわかること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取り上げる本 | 青木真也『空気を読んではいけない』(幻冬舎文庫) |
| 著者 | 青木真也(総合格闘家/DREAM・ONEチャンピオンシップ王者経験) |
| 関連の一戦 | 超RIZIN.5 浪速の超復活祭り(9月10日・京セラドーム大阪) |
| カード | 朝倉未来 vs 青木真也 |
| この記事の見どころ | 本の内容の要約、青木真也の経歴、超RIZIN.5への想い |
青木真也という生き方
中学の柔道部では補欠だった。そこから早稲田大学の柔道部で頭角を現し、大学在学中に修斗でプロデビュー。大学卒業後は静岡県警に就職するも、わずか2ヶ月で退職してPRIDEに参戦した。
普通に考えたら、かなり無茶な選択だ。彼は自らの価値観だけを信じ格闘技という水物の世界に飛び込む。しかも所属していた団体が潰れるという経験もしている。それでも青木真也は、自分の肉体ひとつで価値を証明し続け、DREAM、ONE FCと渡り歩き、ついにONEチャンピオンシップのチャンピオンにまで登り詰めた。
この経歴を知ってから本を読むと、彼の言葉の一つひとつに説得力の重みが違う。口先だけの自己啓発ではなく、実際に結果でそれを示してきた男の哲学だからだ。
「空気を読んではいけない」の中身
この本のテーマは、ひとことで言えば「自分の価値観を守り抜くこと」だと思う。
人間関係を始末する
冒頭の章から強烈だ。幸せに生きるために友達は必要ない、群れてはいけない、と青木は書く。人と食事に行くことすら「自分の考えが濁るから」という理由で避けているという。
これを読んで、僕は自分に問いかけた。今晩飲みに行く友達は、本当に大事な人だろうか。惰性で付き合っている人間関係を、僕はどれだけ抱え込んでいるんだろうか、と。
欲望を整理する
もうひとつ印象的だったのが「足るを知る」という考え方だ。欲望が散らかっている人間は、いつまでも何かを手にすることができない、と青木は言い切る。
隣の芝生が青く見えて、何が自分にとっての幸せなのかがぼやけてしまう。これは格闘技の世界に限った話ではなく、誰の日常にも当てはまる感覚だと思う。自分が本当に欲しいものと、なんとなく欲しいと思わされているものを、僕らはどれだけ区別できているだろうか。
自分に値札をつける
そして青木真也の哲学の核にあるのが「自分が商品である」という意識だ。格闘技一本で食っていくためには、自分自身の価値を常に意識し、目的を明確にしてから物事を決める。人と食事に行くかどうかも、それが次の仕事につながるかどうかという「目的」で判断する、と語っている。
この徹底ぶりが、青木真也を「めんどくさい男」にしている理由なんだと思う。でも、その面倒くささこそが、彼が長年トップで戦い続けてこられた理由でもある。
43歳、超RIZIN.5で朝倉未来と激突
そんな青木真也が、9月10日の超RIZIN.5(京セラドーム大阪)で朝倉未来と対戦する。旗揚げ以来およそ11年ぶりとなるRIZINのリングだ。
| 朝倉未来 | 青木真也 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 34歳 | 43歳 |
| ポジション | RIZINの象徴的存在、日本で最も人気のある格闘家の一人 | ONEチャンピオンシップ元王者、MMA界の生きる伝説 |
| 直近の状況 | 昨年末の敗戦からグラップリングを強化して再起 | ONEなど海外を主戦場としながら、キャリア終盤を迎える |
朝倉未来はおそらく日本で一番人気があり、RIZINという団体そのものを象徴する存在だ。対する青木真也は43歳、キャリアの最終盤にある。普通に考えれば、勢いも知名度も朝倉に分があるように見える。
でも、僕はきっと青木真也は朝倉未来の思い通りにはさせないと思っている。空気を読まず、自分の価値観だけを信じて格闘技と向き合ってきた男が、格を高め続けた結果として舞い戻ってきたのがこのRIZINの舞台だ。今の青木真也にしか作れない「最高の作品」を、必ず見せてくれるはずだ。
本を読んで、自分の人生を振り返る
「幸せに生きることは難しいことではない」。本を読み終えて、一番残ったのはこの感覚だった。
自分の人生を生きるということは、案外シンプルなことなのかもしれない。決して易しいことではないけれど。
僕はまだ、自分自身の人生をなんとなく生きているのかもしれない。買った服も、付き合っている人間関係も、本当に自分が選んだものなのか。青木真也の本は、そんな当たり前だけど普段は目を逸らしがちな問いを、静かに、でも強く突きつけてくる一冊だった。
よくある質問
Q. 「空気を読んではいけない」はどんな人におすすめですか? A. 人間関係や周囲の評価に振り回されがちな人、自分の価値観を見失いかけていると感じる人に特におすすめです。格闘技ファンでなくても十分に読める内容です。
Q. 超RIZIN.5の朝倉未来vs青木真也はいつ、どこで開催されますか? A. 2026年9月10日、京セラドーム大阪で開催されます。
Q. 青木真也の経歴は? A. 早稲田大学在学中にプロデビューし、大学卒業後は静岡県警に2ヶ月で退職してPRIDEに参戦。その後DREAM、ONEチャンピオンシップで王座を獲得しています。
まとめ
- 青木真也は「自分の価値」を証明し続けることに人生を懸けてきた格闘家
- 『空気を読んではいけない』は人間関係、欲望、自分の価値づけについての哲学書
- 9月10日の超RIZIN.5で朝倉未来と激突。43歳の青木がどんな作品を見せるか注目
榊原信行さんの本についての記事はこちら(内部リンク)。あわせて読んでみてほしい。

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