ドラマ『海のはじまり』第3話感想|大切な人を失う悲しみと「いなくならない」約束【ネタバレあり】

戯言

【この記事のポイント】

  • ・海(泉谷星奈)が初めて見せた「本当の涙」——夏の胸で号泣した瞬間の意味
  • ・夏(目黒蓮)が向き合う「パパになること」の責任と、弥生(有村架純)が感じる「外野感」
  • ・亡き水季が遺した母子手帳に刻まれた、7年間の愛の記録

※以下、ネタバレを含みます。


ドラマ『海のはじまり』第3話。第2話で恋人の弥生に自分の娘がいることを話した夏。自分が海の父親であるべきなのか悩む夏と、自分の過去に思いを馳せながら海の母親になりたいと淡く思う弥生。第3話は、そんな二人の気持ちの揺れ動きが描かれた話だ。


1. 水季が遺した「選択」と「母子手帳」

冒頭は水季と海の回想シーン。水季は海の身長を壁に記し、「居なくならないよ」と海を抱きしめる。水季が登場するだけでグッとやるせない気持ちになる。本当に海に愛情を注いでいたんだな、と。

場面は変わって朱音(大竹しのぶ)の家。夏は「なぜ自分が海に好かれているのか分からない、何もしてあげられていないのに」と朱音に話す。朱音は水季が夏に妊娠を知らせなかった理由を語る。

「その人、私が産むって決めたらじゃあ父親になるって絶対に言うから。他の選択肢を奪いたくないって」

自分で決めることを大事にし、相手の選択肢を狭めたくないという水季なりの、独りよがりな優しさが切ない。


2. 海の誕生日に感じる「外野感」

海の誕生日、夏と弥生は二人で海と出かける。出かける前に朱音から母子手帳を預かり不安になる夏。「練習してください。親って子供の何を持ってて何を知らないといけないのか」と送り出す朱音の言葉が刺さる。

水季が働いていた図書館へ行く三人。母子手帳に記された海の成長の記録を読み、言葉が詰まる夏。そんな二人を遠くから見守る弥生と津野(池松壮亮)。二人が感じる「外野感」がリアルに描かれていた。

朱音は弥生に対し、産み育てたかった水季の無念をぶつける。「血のつながりが絶対なんて思わないけど、でもこっちはつながろうと必死になってやっとつながれたの。だから悔しい」と。この言葉の重さがずしんと来た。


3. 「悲しいものは悲しいって吐き出さないと」

明くる日、夏の家に海が遊びに来る。元気なふりをする海に対し、夏は語りかける。

「なんで元気なふりするの? 水季死んで、悲しいでしょ。なにしてても思い出してキツイと思うし。……悲しいものは悲しいって吐き出さないと」

涙を浮かべて夏の胸に飛び込み、号泣する海。涙を浮かべながら優しく抱きかかえる夏。本当に大切な人を亡くした悲しみを吐き出せるのは、本当にいてほしい人だけなのかもしれない、と強く思った。


4. 「パパやらなくていいよ、でもいなくならないで」

夏は海に自分の家族のことを話す。父と弟は自分と血がつながっていないけれど、今は本当の家族だと思っていること。海は「二人いるんでしょ。本当のお父さん」と返す。

夏は海を、水季とよく行っていた海辺へ連れ出す。

「パパになって欲しいってこと?」
「ううん。夏君、パパやらなくていいよ。でも、いなくならないで」

「パパやる」ということが何なのか、まだ二人ともよく分かっていない。けれど「いなくならないで」という願いは通じ合っている。「水季の代わりにはなれないけど、一緒にはいれる」という夏の言葉に、海の屈託ない笑顔が弾けた。


感想:ただ、一緒にいれる幸せ

第3話を迎えて、だんだん話に深みが増してきた。大切な人を失ったときに心の底から支えられるのは、その人を思い出せること、そして「いてほしい人がいなくならないこと」なのかもしれない。

ただ、弥生。本当に優しい気持ちを持っているのは伝わるのだが、夏と海の間の関係から置いていかれているような「隙間」が気になる。過去の十字架も含め、これからどう進んでいくのか。

余談だが、エンディングテーマのback number「新しい恋人たちに」が素晴らしい。前クールの『アンメット ある脳外科医の日記』も大好きだったが、あちらは演技が最高だった分エンディングの選曲が少し惜しいと感じていた。本作は音楽も含めた世界観の完成度が非常に高いと思う。


よくある質問(FAQ)

Q. 海が「パパやらなくていい」と言った真意は?
海にとって「パパ」という役割よりも、夏という存在が「いなくならないこと」が何より重要であることを示しています。

Q. 津野(池松壮亮)はどんな人物?
水季が働いていた図書館の同僚で、生前の水季と海を支えていた人物。夏に対しては複雑な感情を抱いています。

Q. 母子手帳が登場した意味は?
亡き水季が海をどれほど大切に育ててきたかという「愛の証明」であり、夏が親としての責任を自覚するための重要なアイテムとして描かれています。

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