
【この記事のポイント】
- 本屋大賞2026全ノミネート作品を読破した僕が、主観全開で推す2作品を紹介
- 森バジル『探偵小石は恋しない』と野宮有『殺し屋の営業術』の魅力を深掘り
- ミステリー初心者から読書好きまで、次に読む1冊を探している人に必見
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本屋大賞は「全国の書店員が選んだいちばん売りたい本」がノミネートされる賞だ。『博士の愛した数式』、『舟を編む』、『成瀬は天下を取りにいく』と、これまでの受賞作は名作ぞろい。今や読書好きにとって、もっとも楽しみな賞のひとつと言っていいと思う。
昨年の大賞は阿部暁子さんの『カフネ』。これ、本当に大好きな作品で、今でも時折読み返してはあったかい気持ちになる。
そして2026年のノミネート作品。今年はなんといっても湊かなえさんや伊坂幸太郎さんという超著名な作家の作品が目を引く。『さよならジャバウォック』はすでにかなりの人気作だし、『暁星』は登場人物の感情がずっしりと重く響く感じと深い余韻が唯一無二の一作だ。本屋大賞受賞歴のある瀬尾まいこさんの『ありか』も気になっていた。
でも、今回僕が強く推したいのはこの2作だ。
- 森バジル『探偵小石は恋しない』
- 野宮有『殺し屋の営業術』
今年はミステリーが熱い。ノミネート全作品を読んだ上で、主観全開でこの2作の魅力を語らせてほしい。
※あくまでも今の僕の気分と主観で推したい作品であって、大賞の予想や願望ではありません。
キャラクターの魅力が炸裂!『探偵小石は恋しない』森バジル
主人公の小石は、タイトルの通り「恋をしない」女性。ある事件をきっかけに恋愛というものを蔑んでいる。その代わりに与えられた特殊な能力を武器に、探偵のパートナー・蓮杖と依頼を受けていくなかで、いつしか大きくて不思議な事件に巻き込まれ、物語は意外な結末を迎える。
まず何が素晴らしいかというと、小石の明るさ、変なところ、一挙手一投足が滲み出るように伝わってくるところだ。彼女の独特な感性の言い回しに思わずクスッとなったり、思わず口を挟みたくなったり。まるで小石と所々会話をしているようなテンションで読み進めてしまった。
そんな小石の横にいると真面目で平凡な印象を受ける蓮杖も、なかなかに芯のあるいい奴なのが憎い。二人に持ち掛ける登場人物たちも様々な角度からちょっと変で、ゆえに愉快。その一つ一つの案件がラストへの伏線になっているのは見事だった。
ミステリーなので現実には起こらない展開も多いけど、「そういうこともあるか」と思わせるギリギリを攻めたシチュエーションと、そこに説得力を持たせる表現の数々で、興ざめするどころかむしろワクワクが連なっていく。
正直、僕は恋愛をテーマにした小説はあまり得意じゃない。でも、ともすれば暗くなりがちなテーマを含みながら、颯爽とハラハラドキドキしながら楽しめるのはひとえに小石のキャラクターのおかげだと思う。こういう楽しみや活力を与えてくれる主人公に出会える小説が、僕は大好きだ。 最後のシーンを経て、小石とともに僕自身も少し大人になれた気がした。
| こんな人におすすめ | 理由 |
|---|---|
| ミステリー初心者 | テンポよく読めてキャラが魅力的 |
| 青春×謎解きが好きな人 | 恋愛設定を逆手に取ったユニークな展開 |
| 読後に余韻を楽しみたい人 | ラストの伏線回収が見事 |
営業スキルで修羅場を潜る!『殺し屋の営業術』野宮有
こちらは江戸川乱歩賞受賞作。主人公の鳥井は、不可能と思われた営業目標も卓越したトークと営業スキルで必ず達成する、まさに凄腕の営業マンだ。しかし心の内は虚しさに苛まれていて、生きている実感も生きがいもなく、マシーンのように憑りつかれたように営業に回る日々を送っている。
そんな鳥井が、営業先で殺し屋の殺人現場に出くわしてしまったことをきっかけに、金のために裏社会の人間たちと様々な戦いを繰り広げることになる——そういうストーリーだ。
まず冒頭、鳥井が「キムネコウヨウジャク」という鳥の話から防犑カメラをかわせる営業テクニックを披露するシーンで、さっそく脱帽してしまった。巧みなトークもそうだが、その背景まで緻密に細工された営業は見事で、実際であれば交渉事にはめっぽう弱い僕なら、あっさりのまれてしまいそうだ。
そんな鳥井が命の危険にさらされた状況を切り抜ける唯一の希望が、自身の「営業術」。アンダーグラウンドな世界で自らの頭脳と胆力すべてが集約された営業術で戦い、ノルマを達成しようと奮闘する——そんな一人の男の生き様にはロマンが詰まっている。
駆け引き一つ一つがヒリヒリとしびれるし、トリックもよく練られていて、最後の展開と謎解きは圧巻だった。 なんか言葉にならない「うわッ」て感じ。単なる奇抜な設定にとどまらない、ミステリーの世界を一気に駆け抜けられた。
| こんな人におすすめ | 理由 |
|---|---|
| ハードボイルド好き | 男の生き様とロマンが詰まっている |
| ビジネス×謎解きが好きな人 | 営業術を武器にした心理戦が独自の面白さ |
| 江戸川乱歩賞ファン | 受賞作としての完成度の高さ |
まとめ:没頭する力を再確認させてくれた2作
本屋大賞2025の『カフネ』はじめ、僕が大好きな作品は登場人物に思いを馳せながら深く考えさせられ、感動したりほっこりしたりするものが多い。
でも今回この2作品に惹かれたのは、理屈抜きに夢中になってページをめくる手が止められない、そんな楽しさを感じたからだと思う。なにも考えず没頭する——そんな体験が楽しくて、自分の心が少し上向く。
本屋大賞ノミネートでなければ手に取らなかったかもしれない作品から、小説の持つ力を改めて学んだ気がした。ミステリーが気になっている人には、ぜひどちらも試してほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. 『探偵小石は恋しない』はミステリー初心者でも楽しめますか?
主人公のキャラクターが非常に魅力的でテンポも良いため、ミステリーに詳しくない方でもエンターテインメントとして存分に楽しめます。
Q. 『殺し屋の営業術』はビジネス書的な要素もありますか?
主人公が営業スキルを駆使してピンチを切り抜けるので、ビジネスの駆け引きや心理戦が好きな方には非常に興味深い内容です。ただ基本的には本格ミステリーです。
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