【早稲田ラグビー最強のプロセス】相良南海夫監督が語る「継承と創造」の真髄

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早稲田大学ラグビー部を11年ぶりの日本一に導いた相良南海夫監督の著書『早稲田ラグビー最強のプロセス』を徹底レビュー。低迷していたチームをいかに立て直し、「早稲田スタンダード」を復活させたのか。伝統の継承と現代的な創造が融合した、最強チームへの軌跡を辿ります。

この記事のポイント

•相良監督の使命: 低迷する早稲田が失った「普遍的なもの」を取り戻す。

•早稲田スタンダード: 膝に手をつかない、最後まで諦めないなど、5つの鉄則。

•継承と創造: 100年の伝統を守りつつ、最新のラグビー理論を融合。

•日本一への道: 明治への完敗から国立競技場での歓喜まで、40日間の劇的変化。

2020年、ラグビー大学選手権を制した早稲田大学。

大学選手権で優勝した時にのみ歌うことが許される第二部歌「荒ぶる」が11年ぶりに国立競技場に響き渡った感慨深さは今でも鮮明に思い出される大学ラグビーファンも多いと思います。

さて、今回紹介するのは低迷していた早稲田大学部を立て直し11年ぶりの日本一奪還を果たした相良南海夫監督の著者「早稲田ラグビー最強のプロセス」です。

相良監督は混迷していたチームをいかにして立て直したのか。

間違った方向に進んでいたチームと学生

前任の山下大吾に率いられた早稲田ラグビー部は結果が伴わなかった。相良は傍から見てその要因は「スタンダードの欠如」だと感じていた。ディフェンスは淡泊で粘り強さがない、イーブンボールへの反応が悪い、ボールキャリーへの反応が遅い。これらは早稲田に代々脈々と受け継がれてきたスタンダードのはずだった。

ラグビーは日進月歩。私には最新式は教えられない。ただ、ラグビーの「普遍的なもの」は教えられる。

100周年というシンボリックな年に、相良のような往年のラグビーファンしか知らないような地味な存在に監督として声がかかった意味はそこにある。

「早稲田スタンダード」の徹底

2018年4月から早稲田の監督として上井草のグラウンドに立った。

練習で一番はじめに取り組んだのがこれまで語り継がれてきた「早稲田スタンダード」の徹底である。

1.膝に手をつかない: キツイ時に顔を下に向けない。相手に弱さを見せない。

2.ゴールラインを全力で切る: フィットネスでも最後まで手を抜かない。

3.トライまでサポートを継続: 「トライだ」と思っても、グラウンディングの瞬間まで緩めない。

4.最後まで諦めないバッキングアップ: 抜かれても追い続け、コンバージョンの難易度を上げる。

5.イーブンボールへの執着: 相手に「ミスは許されない」という無言のプレッシャーをかける。

当たり前に映るかもしれないが、この当たり前を早稲田の歴史の中で諸先輩方が大切に積み上げてきた。これこそが普遍的な早稲田スタンダードである。

継承と創造:オール早稲田の力

「早稲田スタンダード」や「ポジ練(ポジション別練習)」のように先人たちが100年かかって積み上げてきたものを守るのが「継承」である。そこに時代に応じた新たなものを加えて行くのが「創造」だ。

最近の流行ラグビーについてはコーチ陣の方が詳しいので任せた。幸い、最先端のラグビーを知るOB達が指導に来てくれたし相良も学ばせてもらった。彼らには悪いがいいところをさせてもらった。まさにオール早稲田だ。

相良が教えられるのは普遍的なラグビー、「継承」だ。

「全ては上井草にあり」日々突き詰めて練習している上井草、全てはここから創り出される。

完敗から学んだ「勝ちポジ」と「トツ」

齋藤直人を新キャプテンに据え、2019年シーズン、相良の就任2年目のシーズンが始まった。

プレーの細かいキーワードは「勝ちポジ」と「トツ」。

•勝ちポジ: 勝てるポジション。体を前傾させ目線を上げる前に出る準備。

•トツ: 倒れてもすぐに立って動き続けること。

全勝で優勝がかかった早明戦を迎えるが、7-36で完敗。完全に明治の圧を受けてしまった。

しかし、ショックはそれほどなかった。ディフェンスなど、自分たちがやらなければならないことをやらずして負けた。これは修正がきくものだと思っていた。

「自分達の立ち位置が分かってよかったじゃないか。この差を埋めるのか、埋めないのかどうするんだ」

国立競技場での歓喜:荒ぶるの合唱

決勝。早明決戦。初の国立競技場。舞台は整った。

早稲田は対抗戦の借りを返すことが優勝になる。決勝進出は6年ぶりだった。

ロッカールームで最後の檄を飛ばした。

「今日は自分たちのやってきたこと、早稲田クォリティーをやり切ろう。フォワード、セットでボールを取って近場でバトルして来い。バックスはタックルして、フォワードが取ったボールを仕留めて来い。攻めて、攻めて、攻めていこう。全員で闘え」

前半は4トライを奪い31-0と大差をつけた。自分たちの力を100%出せた。

後半、明治の猛追を受けるも、38-28に迫られた残り10分。早稲田ボールのスクラムからダメ押しのトライを挙げる。

早明決戦は45-35で早稲田が制した。

何も出来なかった対抗戦の完敗から40日、結果を真逆にすることができた。

みんなの前で「荒ぶる」を合唱できたことは何よりだった。

早稲田は優勝を続けられるチームでなければならない。そのために今以上の文化を育て、プレーのクォリティーを上げていかないといけない。

早稲田の挑戦はこれからだ。

よくある質問

Q: 早稲田ラグビーの「荒ぶる」とは何ですか?

A: 早稲田大学ラグビー蹴球部において、大学選手権で優勝した時にのみ歌うことが許される第二部歌です。

Q: 相良監督が重視した「早稲田スタンダード」とは?

A: 膝に手をつかない、最後までサポートを続けるなど、技術以前の「心のあり方」や「執着心」を言語化した5つの行動指針です。

Q: 「継承と創造」の具体的な内容は?

A: 100年の伝統(低さ、自主性、スタンダード)を「継承」し、現代の戦術やトレーニング理論を「創造」として取り入れるハイブリッドなチーム作りのことです。

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